抄録
有機金属気相成長法を用いて,(001)面のGaドープZnTe基板上に四元混晶半導体ZnMgSeTe薄膜を作製した.薄膜と基板の界面を観測すると,直線的となっており比較的良好なZnMgSeTe薄膜が得られていることを確認できた.さらにZnMgSeTeのSe組成制御が可能かどうか検証するために,DESe供給量を変化させた.XRDの結果から,DESe供給量が増加するとZnMgSeTeの(004)回折ピークは高角度へシフトする.DESe供給量3μmol/min付近で成長させると, ZnMgSeTeのピークがZnTeのピークに向かって最も接近した.以上より,ZnMgSeTeは適切なDESe供給量を制御することで,ZnTeと格子整合が可能であることが実証された.