抄録
飲料業界では,少量多品種生産を行っており,洗浄が不十分な場合,先に製造した飲料の香料が次に作る飲料に移ってしまうことがある.そのため製造ラインの過度の洗浄を行っており,人の嗅覚より低濃度で検出可能で,かつ短時間で製造ラインに残った香料を検出する方法が望まれている.表面プラズモン共鳴(SPR)免疫センサは,操作が比較的簡易で,特異的反応である抗原抗体反応を利用しているため選択性も高い.そこで,SPR免疫センサを用いて,ピーチ香料の一つであるフルフラールの高感度検出を試みた.抗フルフラール抗体とフルフラール類似物質を固定化したセンサチップを用いて,間接競合法によりフルフラールの検出を行った.