抄録
磁気刺激法とは,生体組織を非侵襲的に刺激する方法で,診断や治療など様々な分野で広く用いられている.磁気刺激に関しては,生体における刺激部位の特定が重要となり,組織内における誘導電流分布の推定は必須である.しかし,組織の形状や電気的性質が複雑であるため誘導電流分布の推定は困難となる.これまでにも,誘導電流分布の推定は行われている.誘導電流分布の推定方法として,「測定方法」と「計算方法」が用いられる.本研究では,コンピュータ上でモデルを構築し,刺激対象に対する刺激コイルの配置や導電率の異なる導体境界での誘導電流密度分布の推定を行い,これらに対する誘導電流密度分布の影響に関する検討を行った.