抄録
近年,固体,液体,気体試料の原子組成分析法として,前処理が不要で小さな簡便な装置での分析が可能なレーザ誘起ブレークダウン分光法(LIBS)が注目を集めている。LIBSでは励起原子,イオンから線スペクトルの波長,強度から元素組成を求めるため,広い波長範囲にわたって高い分解能でスペクトルを測定する必要がある。現在,プラズマ発光分光分析などで利用されているコンパクトで安価なマルチチャンネル分光器をLIBSに用いる場合,その波長精度やスペクトル分解能が問題となる。 本研究では,小型マルチチャネル分光器の特性を調べ,測定スペクトルをコンピュータにより処理することにより波長精度やスペクトル分解能の改善を試みた。