抄録
農作物や生鮮食品などの流通および加工過程において,殺菌・消毒技術は,豊かで安心できる食生活の実現のために必要不可欠である。我が国では,農作物へのポストハーベスト農薬の使用が禁止されていることや加工食品における消費者の無添加志向の高まりから,我々は,ガスプラズマを用いた殺菌・消毒法の開発を目的に研究を遂行している。プラズマは,低温およびドライ・低湿プロセスでの処理が可能であり,それぞれの食品に適したプラズマを利用することで,従来法に変わる新規的な殺菌・消毒処理法となり得る。本稿では,大気圧バリア放電により生成したプラズマによる農作物や生鮮加工食品の殺菌特性について調査したので報告する。