抄録
視覚障がい者が自由に移動できるように,GPSやRFID等を利用したシステムの開発が行われ,様々な情報を取得できるようになった.しかしながら,これらのシステムは,交差点単位に次の経路点までの位置関係や周囲の建物についての情報を提示するものが一般的であり,利用者が安全に歩けるような現在位置に基づく誘導ではないため,点字ブロックが無い場所での使用は難しい.本稿では,この問題点を解決するために,利用者が移動する間は常にどの方向へ進むのかを指示しながら目的地まで誘導する手法を提案する.逐次的に指示を行う事で,従来のシステムでは使用が困難な環境でも,視覚障がい者が安全に移動できるようにする事を目的とする.