抄録
現在,匂いを定性,定量化するセンサは未だ実用化できていない.本研究では,類似した分子情報を持つ匂い分子が近い部位を活性化するといった生物の匂い受容機構を模倣することで人工匂いマップの作成を試みている.従来使用されてきた吸着剤PDMSでは吸着が劣っている化学物質群がある.そこで,その群を補完する為にPDMSに他のポリマーを混合や,代わりにPVCを用いることで,吸着特性を変化させ,新たな吸着剤作成を行った.また,様々な機能を持つ吸着剤に,分子の形状を記憶した孔を有するフィルタを堆積させることで,より高度な分子認識能を持たせることに成功した.結果,吸着剤とフィルタの組み合わせによる吸着選択性の設計を可能とした.