抄録
粉砕処理では有害物質や粉塵の流出などの問題があるため,隔離された容器内での粉砕処理が理想的となる。この機構は磁気カップリングを用いて隔壁を隔てた動力伝達を行うことで実現されている。しかしながら,磁気カップリングは,機械式の伝達機構と比較して伝達力が小さい点に課題であり,小型で高伝達駆動力の磁気カップリングが望まれている。そこで,粉砕機用磁気カップリングの伝達力向上を目的として,永久磁石配列の影響を有限要素磁界解析を用いて検討した。目標とした磁気カップリングの基本モデルの最大伝達トルクは約139Nmであり,改良モデルでは約162Nmと17%のトルクを向上させることができている。