抄録
三相かご形誘導機を用いた自励式風力発電方式は、風速変化に対する発電範囲の狭い問題があった。つまり、進相コンデンサ容量を大きくすると低速で発電するけれども、高速時では、進相電流が過大となり発電できなくなる。また、コンデンサ容量を小さくすると低速での発電ができなくなる。この問題に対し、筆者らは進相コンデンサと磁束制御形可変リアクトルとを組み合わせた新発電方式により、風速の可変範囲を大幅に拡大した。本稿では、新方式における発電可変範囲をより詳細に検討した。その結果、コンデンサ容量を発電可能最低速度の得られる値に選定しても、可変リアクトルにより定格速度まで発電電圧の制御が可能であることが明確になった。