抄録
油入変圧器は超高電圧送電システムにおいて重要な機器であるが、近年の高経年機器の増加や設備投資の抑制といった風潮を受けて低コストで効果的な設備診断の技術が必要とされている。変圧器内部での放電やそれに伴う過熱により絶縁油が分解し、炭化水素系のガスが発生し油に溶解することで絶縁性能を下げ、故障の原因となる。本論文では、従来の方法に比べて操作が簡単でかつ低コストな誘電泳動集積法により作製したZnOガスセンサを用いて、絶縁油中でのアーク放電により発生したアセチレンガスを検出する時の、絶縁油分解ガス抽出条件が及ぼす影響について調査を行った。