抄録
油入変圧器は放電や過熱により内部の絶縁油が分解されることで絶縁性能を低下し、変圧器の故障をもたらす。近年の高経年機器増加や、設備投資抑制の風潮を受けて、従来の検出手法と比べてより簡単かつ効率的な検出手法が求められている。そのため、変圧器設備診断への応用を目指して、我々は独自な誘電泳動集積法を用いて、白金修飾ZnOセンサを作製し、そのセンサによって100ppm のアセチレンガスを検出した。本研究では、そのガスセンサを用いた変圧器絶縁油分解ガス検出への応用を目的として、実際に絶縁油中で異なる放電電圧でアーク放電を発生させ、油中に溶存した分解ガスをバブリング法により抽出し、作製したセンサでの検出効果を調査した。