抄録
放電プラズマの持つ高い活性力を活かした材料合成や反応プロセス等の研究が盛んに行われている。近年では,超臨界流体(Supercritical Fluid:SCF)中での放電プラズマが注目されており,超臨界二酸化炭素(SCCO2)や超臨界窒素(SCN2)の放電特性が詳細に研究されている。先行研究の調査結果から,従来のガス遮断器に使われている温暖化係数が非常に高い六フッ化硫黄(SF6)の代替媒質や,パルス電力システムで使用する高耐圧,高繰り返しの流体スイッチ媒質としての可能性が示唆されている。本研究では,高圧容器内に封入された窒素の超臨界状態をトリガトロンギャップスイッチとして,アーク消弧と流体密度の回復時間の依存性を調査したので報告する。