抄録
形状記憶合金は組成によってNi-Ti系、Fe系、Cu系の3つに大きく分類され、この中でもNi-Tiが最も広く利用されている。しかし、メガネのフレームや歯科矯正ワイヤーなど応用範囲が狭く、超弾性効果の応用が一般的で、生産量が限られている。そこで、著者らは、磁性に着目し、合金の応用範囲の拡大を目的に、形状記憶合金に磁性を付加させた強磁性形状記憶合金の開発を行ってきた。本論文では、強磁性元素から構成されるFe-Ni-Co系合金を圧延、超急冷法を用いて試作して、磁気特性と形状記憶合特性を測定した結果を報告する。