抄録
手のひらサイズの携帯型心電計を用いて心電信号を計測する際、微弱な信号の検出が必要となり、ノイズ環境が悪いところで使用され、小規模の回路で実現するためには既存の方法では難しい。確率共鳴法は、微弱信号がある条件の雑音の元で確率的に共鳴し、検出できる方法である。本研究は、確率共鳴法を用いてノイズに埋もれた微弱な心電信号の検出可能性を検討した。双安定ポテンシャル系の確率共鳴法を用いて、心電波形のうちR波の検出を目標とした。MATLABシミュレーションの結果、SNRが0.8から1.8までの心電波形からR波を検出することができた。また、確率共鳴法を用いる際のパラメータを二次関数的に変化させるとよい結果が得られることがわかった。