抄録
近年、クラウド技術などの進歩に伴いビッグデータの活用のため、強化学習などのデータ分析技術が注目されている。強化学習は試行錯誤を通じて環境に適応する学習制御で、不確実性のある環境下における様々な事象に対しても、最適な行動政策を獲得することが期待できる。このようなデータ分析技術によって得られる情報は、企業にとって非常に重要な情報資産となりうるが、クラウド環境においては情報の不正利用や漏洩といったリスクを持つことになる。そこで本研究では、個々の秘匿データを分散した状態で計算処理や記憶を行うSMCに着目し、強化学習に用いる学習データを別々のサーバに分割送信して計算処理や記憶を行う手法を提案する。