抄録
電力機器は,塩害等の厳しい使用条件に耐え得る絶縁耐力と,風・雪等の外力にも耐える機械的強度が要求される。近年,電力機器の外被材として絶縁性能と耐候性に優れ,且つ軽量であるシリコーンゴム等のポリマー材料の適用が進んでいる。しかし,ポリマー材料は有機物であるため,ポリマー表面の放電現象による劣化や環境ストレスによる劣化が危惧されている。加えて, 国内外において直流課電と交流課電による絶縁特性への影響の違いを比較したデータはほとんど存在しない。 本報では,新品のシリコーン試料に交流もしくは直流課電し, 湿潤フラッシオーバ(FO)試験を行い,FOに至るまでの水滴の挙動を観察した結果について述べる。