抄録
医療機関への無線技術の導入が進む一方,電磁干渉や情報漏洩などの懸念が依然として存在している.これらの問題は波源と観測点との間に金属プレート等を設置することで解決に近づけることができるが,必要な無線通信まで遮へいしてしまう.本報告は,非金属層状周期構造におけるバンドギャップに着目している.この構造物は周期間隔や物体の比誘電率を操作することにより,電磁波を帯域的に遮へいすることができる.これを用いて,マイクロ波帯の電磁波遮へい効果について,3次元領域におけるFinite-Difference Time-Domain(FDTD)法に基づく数値解析の観点から考察している.結果として,無線LAN周波数帯における効果的な遮へい効果を確認できた.