現在，一般的に使用されるITO透明導電膜はフレキシブル性に乏しい．そこで著者らはITOの代替材料としてPEDOT:PSSに着目し，インクジェットプリンタを用いてフレキシブルな透明導電膜の作製を行っている．これまでの研究で，印刷後の熱処理，印刷間の極性溶媒の塗布，インク溶媒に低粘性・高沸点のDMSOを使用することで薄膜の特性改善が行えることを報告している．しかし，エチレングリコール（極性溶媒）をプリンターで塗布することで薄膜の表面粗さが大きくなった．この表面粗さは電気的・光学的特性に影響を与えている．本報告では，溶媒の粘性や表面張力を低下させる機能を持つ界面活性剤の添加を検討し，表面粗さの改善を目指す．
