窯業協會誌
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ハフニア (HfO2) の水熱反応焼結におけるち密化と粒成長
虎谷 秀穂吉村 昌弘宗宮 重行
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1983 年 91 巻 1053 号 p. 235-240

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抄録

ハフニア (HfO2) の水熱反応焼結を圧力100MPa, 温度1300℃までの条件下で検討した. ハフニウム (Hf) と水 (H2O) からHfO2が生成し, 900℃以上, 3時間の加熱で焼結体が得られた. 焼結体の密度, 及び結晶子径は900℃から1200℃まで温度とともにほぼ直線的に増加し, 1200℃でその密度は理論密度の約98%に達した. HfO2の水熱反応焼結は次の特徴をもつ3段階を経て進行した. (1) 密度の増加が大きく, 結晶子の成長が大きい, (2) 密度の増加が大きく, 結晶子の成長が小さい, (3) 密度は漸増するが, 結晶子はほとんど変化しない. 結晶子の成長は高温高圧水の存在と熱処理温度に大きく依存している. ち密化は水熱反応焼結の第2及び第3段階で顕著であり, 熱間等方圧加圧の効果により主に気孔の排除によって進行すると考えられた. 時として小さい結晶子径をもち, 灰色を呈したよりち密な焼結体が得られたが, この原因は微細なHf水素化物が分散しているためであると考えられた. したがって水素化物の分散は粒成長の抑制, 及びち密化に効果的であると期待される.

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© The Ceramic Society of Japan
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