抄録
アルカリホウ酸塩結晶の生成熱や溶解熱等の熱化学量はそれらを構成するBO3, RBO4及びROBO2なる単位の部分分子量の和であると仮定した. この系の結晶の溶解熱一組成関係 (窯協, 84, 62-70 (1976)) に基づき, 結晶の生成熱を算出した. RBO4/2→ROBO2/2+Hstabなる反応の反応熱として, RBO4単位のROBO2単位に対する安定化エネルギーHstabを定義し幾つかの結晶について生成熱の引用値及び計算値より見積もった. Hstabに基づいて4配位ホウ素の割合N4の組成変化を解釈した. また二, 三の結晶中のRBO4単位のB-O結合エネルギーは135-130kcal/molの範囲であった.