窯業協會誌
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91 巻, 1059 号
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  • 白 彩鉉, 長谷川 洋, 安井 至
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 477-483
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    双ローラー装置を使用してLi2O-MoO3-WO3系のガラス化範囲と生成したガラスの熱的物性・電気的物性の検討を行った. この系では, MoO3とLi2Oが蒸発し出発原料と生成ガラスの間に組成の変化が見られるめですべての試料を化学分析した. ガラス化範囲は, MoO3とWO3との含有比によって多少の差はあるものの, 大体Li2O含有量で決定され, 約Li2Oが20-40mol%の範囲であった. Al2O3を加えることによってガラス化範囲は大幅に広がって, Li2O含有量が約40%以下のほぼ全域となった. 組成の変動は, Li2O含有量のごく少ないところでは顕著であったが, ガラス化範囲内ではそれほど大きくはなかった. ガラス転移温度 (Tg) 及び結晶化温度 (Tc) の等高線は, WO3を頂点とする形となった. また, Al2O3を含有することによってTg, Tcともに上昇した. 電気伝導度は2成分系のLi2O-WO3系, -MoO3系のものと大きな差は認められなかった. またAl2O3を添加することによって伝導度は低下した. この系のガラス構造について若干の議論を行った.
  • 西谷 邦雄, 長谷川 保和, 東方 正章
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 483-487
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1945年初めてFrenkelによって示されたように, 粘性焼結の初期段階において, 球状の焼結体の収縮率と焼結時間とは直線関係にあると長い間信じられてきたが, 焼結の幾何モデルの取り扱いによって, 初期段階と言えども球1個当たりの収縮量と2個の球の接触部に形成したネックの曲率半径とが等しいとする仮定は, 成立しないことが明らかになった.
    したがって, 収縮率と焼結時間の間には実際上直線関係は存在しない.
  • 植松 敬三, 木枝 暢夫, 桜井 修, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 487-491
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    炭化チタンについて不定化性TiCx (x=0.5-0.9) が焼結性及び機械的性質に及ぼす影響を773°-1396℃の実験条件で検討した. その結果, 焼結温度が高く, 炭素含有量xの少ないほど焼結速度が著しく速く, すべての組成で1396℃, 16時間の焼成で高密度め焼結体が得られた. 焼結体の見掛け密度は93.3-95.6%で炭素含有量が増すほど減少し, ビッカース硬度は1430-2120kg/mm2で炭素含有量が増すほど増加する. 焼結体の曲げ強度はx=0.7で最小値 (31kg/mm2) をもち, この組成より炭素含有量が少ないx=0.5では最高強度の値は55.8kg/mm2である. 初期焼結過程について解析して焼結の律速種の拡散係数を推定し, 炭素の体積拡散で焼結が律速されると結論した.
  • 上野 和夫, 樋端 保夫
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 491-497
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    炭化ケイ素ウイスカーを強化用繊維として複合した窒化ケイ素複合セラミックスを, 1800℃, 34.3-39.2MPaの条件で加圧焼結法により製造し, その機械的性質について検討した. ウイスカーは焼結体内でホットプレス方向と垂直な面に2次元配向した. 本複合体の曲げ強度は室温から1300℃まで590-680MPaであり, 高温での強度の低下は極めて小さい. 複合体は40wt%以上の複合ではち密化が困難であり, 10%近くの気孔が残留する. しかし, 複合体の強度は気孔の影響は少なく, この複合体は内部の欠陥に対して鈍感となる. これはウイスカーを複合することによって, 成形体内部に微細な, 制御された欠陥を導入したこととなり, 応力集中を抑制するものと推察される, 室温強度に対するワイブル解析を行ったところ, ワイブル数m=25の値が得られ, この複合体が従来のSi3N4セラミックスに比較して, 極めて信頼性が高い材料であることが分った。
  • 柴田 純夫, 岸 和博, 浅賀 喜与志, 大門 正機
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 497-502
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高温相安定化剤等を含まない純粋なC2Sのβ→γ転移の詳細を明らかにするために, 純薬合成したγ-C2Sを800°-1500℃で10分間-48時間加熱処理し, 急冷した試料中のβ相とγ相の生成比を求めた. 更に顕微鏡観察を行い, 考察した結果, 以下のような知見を得た.
    (1) β-C2S/γ-C2S比は加熱温度, 加熱時間により複雑に変化する.
    (2) γ-C2Sを1000℃以下で加熱処理後, 急冷するとβ-C2Sの生成量は処理時間とともに増加し, 加熱時のγ→α'; 転移によるα'生成量に依存していることが分った.
    (3) 1000°-1400℃に加熱処理した場合にはγ-C2Sの生成量はβ→γ転移の際のβ-C2Sの粒径に依存し, まず焼成温度, 焼成時間が増すにつれてβ-C2Sの生成量が減少し, 更に高温かつ長時間になると再びβ-C2Sの生成量が増える.
    γ相の核生成と生成した核がβ相中を結晶成長することによりβ→γ転移が起こり, γ相の核はβ-C2S粒子の表面にのみ生成すると考えられる. 粒径が数μmのときにγ-C2S生成量は最大となる.
    (4) 1500℃熱処理した場合には, α'変態安定温度で処理した場合とは異なり, 焼成時間, 粒径にかかわらずγ-C2Sの生成量は少ない.
  • 平井 敏雄, 後藤 孝, 梶 利彦
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 502-509
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    化学気相析出法により, SiCl4, C3H8及びH2ガスを原料として板状のβ-SiCの合成を試みた. 合成温度 (Tdep) 1300°-1800℃, 炉内ガス全圧力 (Ptot) 30-760Torrとし, C3H8ガスの流量 [FR(C3H8)] を10-90cm3/minの範囲で変化させて, 析出物の炭素濃度, 密度, 結晶構造, 表面組織, 生成速度に及ぼすFR(C3H8) の影響を調べた.
    本実験で用いたTdep, Ptotでは, 板状のβ-SiC FR(C3H8)=10-40cm3/minの範囲でのみ得られた. β-SiC板の密度は約3.2g/cm3, 炭素濃度は約30wt%であり, これらの値は, β-SiCのそれぞれの理論値と一致した. β-SiC板の表面組織は, 低Ptotでファセットの発達したピラミッド状であり, 高Ptotでコーン状であった. β-SiCの生成速度は, いずれのTdep, PtotでもFR(C3H8) の増加とともに増大し, Tdep=1600℃, Ptot=30Torr, FR(C3H8)=25cm3/minで最高14mm/hに達した. β-SiC生成の活性化エネルギーは, Ptot=30Torrで12-26kcal/mol, Ptot=760Torrで10-12kcal/molであった. また, 遊離Cの生成し始める境界の条件はFR(C3H8)=55-70cm3/minであった. β-SiCとCの混合物の密度は3.2-2.4g/cm3, 炭素濃度は30-50wt%の範囲で, 析出条件により変化した. 更に, この混合物には多くの気孔が含まれることが明らかになった.
  • 田畑 芳明, 太田 能生, 森永 健次, 柳ケ瀬 勉
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 509-516
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    試料加熱及び測温を同時に行うことができ, しかも光学顕微鏡による試料観察が可能なホットサーモカップル法を用い, RO-GeO2(R=Sr, Ba, Ca, Mg), Bi2O3-GeO2, PbO-GeO2, ZnO-Ge2O各2元系の不混和領域を観察, 測定した. その結果ゲルマン酸塩系で観察された相分離は, その温度領域において三つの型に分類された. 第1の型はZnO-GeO2系, MgO-GeO2系, CaO-GeO2系の一部に見られる安定不混和 (液-液分離) であり, 第2の型はケイ酸塩系等に見られるような準安定不混和であり, この型に属するのはPbO-GeO2系及びBi2O3-GeO2系であった. 第3の型は液相線以下, 結晶化温度以上の高温に準安定不混和領域を示す型であり, CaO-GeO2系の一部, SrO-GeO2系, BaO-GeO2系がこの型であることが確認できた.
    測定したバイノーダル曲線はRowlinsonの式により整理され, ゲルマン酸塩系のbの値はケイ酸塩, ホウ酸塩系と同様約1/2であった. また従来ガラス化しないとされていた2元ゲルマン酸塩系での組成域は, 相分離のために失透した分相ガラスであることを見いだした.
  • 高橋 克明, 尾坂 明義
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 516-520
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルカリホウ酸塩結晶の生成熱や溶解熱等の熱化学量はそれらを構成するBO3, RBO4及びROBO2なる単位の部分分子量の和であると仮定した. この系の結晶の溶解熱一組成関係 (窯協, 84, 62-70 (1976)) に基づき, 結晶の生成熱を算出した. RBO4/2→ROBO2/2+Hstabなる反応の反応熱として, RBO4単位のROBO2単位に対する安定化エネルギーHstabを定義し幾つかの結晶について生成熱の引用値及び計算値より見積もった. Hstabに基づいて4配位ホウ素の割合N4の組成変化を解釈した. また二, 三の結晶中のRBO4単位のB-O結合エネルギーは135-130kcal/molの範囲であった.
  • 神崎 修三, 田端 英世
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 520-522
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 谷 英治, 一ノ瀬 弘道, 岸 和司, 梅林 正気, 小林 和夫
    1983 年 91 巻 1059 号 p. 522-524
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 91 巻 1059 号 p. A63-A70
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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