2009 年 24 巻 p. 97-104
現在, ベトナム,ハノイ市では,交通渋滞の解決を目的とした地下鉄,地下駐車場,地下歩道,地下街の建設など多くの都市地下開発が計画されている.しかしながら,ハノイ市域における地下構造物の建設に伴う地盤の力学的性質は未解明な部分が多い.また,ハノイ市域は,軟弱な粘土地盤が厚く堆積していることが多く,圧密沈下が発生しやすいことから,より強固な地盤に改良する必要がある.そこで,本研究では,近年,埋戻し材としてよく用いられるようになってきた流動化処理土を繊維質材で補強し,その圧密・せん断特性を評価するために,一連の段階載荷による圧密試験,および圧密非排水三軸圧縮試験を実施した.その結果,流動化処理土に繊維質材を添加すると,1) 圧密降伏応力が増加すること, 2) 繊維質材の補強効果により脆性的な性質が改善され,沈下抑制効果が大きくなること,などの知見が得られた.