ジオシンセティックスシンポジウム発表論文集
Online ISSN : 1884-3719
Print ISSN : 1344-3496
ジオテキスタイルによる軟弱地盤の支持力改良効果に影響する要因とその評価
平尾 和年棚橋 由彦安原 一哉西村 淳
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 11 巻 p. 61-71

詳細
抄録

含水比が高く,極めて軟弱な粘性土地盤の支持力改良に影響する要因を,(i)ジオテキスタイルの種類の影響,(ii)ジオテキスタイルと土との相互作用パラメータ,(iii)ジオテキスタイルの敷設方法に分けこれらに関する室内模型実験を行った.そして,その結果を考察して以下のようなことが明らかになった.
(1)ジオテキスタイル単体では,不織布を織布で補強した複合ジオテキスタイルおよび摩擦力の大きな不織布が効果的である.(2)ジオグリッド単体では支持力改良に大きな効果は期待できないが、(i)不織布と併用する,(ii)端部を拘束する,および(iii)サンドマットと併用することによってその効果を上げることができる.(3)以上,から支持力改良に対しては、土とジオテキスタイルの摩擦抵抗と曲げ剛性が寄与しており,補強材料の引張強度の影響は小さい.
ついで,著者らの1人(棚橋)が提案している,土と材料の相互作用を考慮した数値解析手法によって,上記の結論のうち,実務で特に重要なサンドマットの効果の定量的な評価を行った.模型実験を対象にした有限要素解析結果は,上記の定性的な傾向と良く一致しており,解析手法がこのような問題解決に有効であることが明らかになった.

著者関連情報
© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
前の記事 次の記事
feedback
Top