脳神経外科ジャーナル
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頸部椎骨動脈起始部病変の再建(<特集>脳動脈の再建術)
島 健岡田 芳和西田 正博山根 冠児
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1992 年 1 巻 1 号 p. 25-34

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抄録

椎骨脳底動脈循環不全症の大多数の症例は頭蓋外椎骨動脈起始部病変に起因する.本稿では椎骨動脈の露出法と各血行再建術をレビューするとともに,術式の長所,短所につき検討を加えた.薬物療法,星状神経節ブロックでも効果なく,反復する頸性めまいの原因としてのVA起始部のcoiling, kinkingに対し,C_6横突起孔のunroofingとVA走行矯正を行う方法は術式も容易で有効な治療法と思われる.VA起始部の狭窄性病変に対するVA-SA transposition, VA-vein graft-SAバイパスは術式の容易さ,手術侵襲も比較的少なく,VA-CCA transpositionに比して,脳主幹動脈2本の同時遮断という脳虚血の危倶も少なく,優れた術式と考えられた.術中ABR,VAのstump pressure等術中モニターの重要性についても述べた.

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© 1992 日本脳神経外科コングレス
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