脳神経外科ジャーナル
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頭蓋底軟骨肉腫の治療経験
三島 一彦松谷 雅生中村 正直日比 哲夫中村 浩設楽 信行船田 信顕
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1992 年 1 巻 4 号 p. 348-354

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抄録
頭蓋底より副鼻腔内へ進展した軟骨肉腫(chondrosarcoma)の3症例の治療経験を報告した.全例,Grade II (Evansの分類)であり,術後残存腫瘍に対し放射線治療(5,000〜7,000 rads)を行った.照射後のfollow-up CTで,腫瘍実質全体が強い石灰化像に変化し,腫瘍の増大が抑制された.また,照射後の病理組織所見においても,腫瘍基質内石灰化が確認された.軟骨肉腫は一般に放射線抵抗性と考えられているため,できるかぎり腫瘍全摘をめざすべきである.しかし,頭蓋底発生の軟骨肉腫は,解剖学的に,また骨破壊的に浸潤する性質を有するため,全摘は多くの場合不可能であり,残存腫凄に対する照射は有効と考えられた.
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© 1992 日本脳神経外科コングレス

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