抄録
巨大脳動脈瘤の手術はいまだ困難なものも多く,手術成績も必ずしも満足のいくものではない.1973年2月〜1991年12月までに行った脳動脈瘤手術885例のうち最大径2.5cm以上のgiant aneurysmは36例,2cm以上のbig aneurysmは39例の計75例を対象として,治療法の検討をした.手術手技としては,aneurysmのtentative clipの使用により,虚血範囲および虚血時間の短縮,dome coagulation techniqueによる動脈瘤Sizeの縮小によりsafe and fine dissectionを行うこと,fenestrate clipをうまく使用し,クリップのスリップをふせぎ,窓部での血流の温存などわずかな工夫が手術を容易かつ安全にし,手術成済を向上させるものと思われ,これら手術の工夫につき報告した.