抄録
本稿では後頭蓋窩外科解剖に有用なMR画像の撮像方向と撮像条件を明らかにすることを目的とした.撮像方向は後頭蓋窩の側方アプローチの正面画像に一致する斜位矢状断と, 後頭下開頭アプローチの正面画像に一致する斜位冠状断を取り入れた.撮像条件は従来の撮像条件と比較し, reversed heavily T2強調画像が後頭蓋窩の脳神経, 小脳, 第4脳室, 錐体路および内耳の骨様構造を含む錐体骨を明瞭に描出し得た.以上より, 現段階では, 手術の進入方向の正面画像となる斜位像とreversed heavily T2強調画像との組み合わせが, 後頭蓋窩の外科解剖を描出するのに最も適している.