2001 年 10 巻 3 号 p. 155-163
臨床機能を用いてしりとり負荷によるfMRIを行い, 非侵襲的に言語優位半球を同定した.対象は開頭術を行った32例で, うち29例に言語優位半球を決定できた.信号は健常者と同様に言語優位半球の下前頭回, 前頭前野, 運動前野, 頭頂葉にみられた.本法は利き手から言語優位半球を推定する方法や, 頚動脈アミタール注入法に比べて優れた特徴をもつ.脳神経外科の症例において言語優位半球を把握することは, pterional approachにおける静脈の温存の判断, 側脳室三角部病変に対するアプローチの選択, 側頭葉頭頂葉脳動静脈奇形に対する治療法の決定, 無症候性病変に対する手術前後の神経高次機能の評価等において有用である.