脳神経外科ジャーナル
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頭部外傷後に出現した脳内気脳症の1例
寺尾 亨沼本 知彦奥田 芳士村上 成之佐口 隆之阿部 俊昭
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2001 年 10 巻 3 号 p. 173-178

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抄録
頭部外傷後に出現した脳実質内気脳症の1例を経験した.症例は40歳, 男性で, 交通外傷で頭部を強打した.当初の頭部CTでは両側前頭葉の脳挫傷を認めたが, 気脳症は存在しなかった.受傷後1ヵ月目に髄液鼻漏が出現し, 髄膜炎を併発した.この後のMRIで右前頭葉に脳内気脳症を認めた.受傷後74日目に開頭による頭蓋底修復術を施行した.手術所見から脳内気脳症の原因は, 前頭洞と脳との交通と考えられた.この発生には副鼻腔へ嵌頓した脳の融解とともに, 脳挫傷が関与しているものと思われた.本論文のなかで, 脳内気脳症の過去20年のreview, 出現機序および遅発性髄液瘻の原因について考察した.
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© 2001 日本脳神経外科コングレス

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