それまでまったく無症状であり, 突然発症した脳室内髄膜腫の2症例について報告した.症例1 : 61歳の高血圧の既往をもつ男性が突然の意識障害により来院した.CTで右側脳室内に腫瘍を認め, 周囲に脳内出血を認めた.神経症状の急速な悪化を認め, 死亡退院となった.剖検で腫瘍はangiomatous meningiomaと診断された.症例2 : 20歳, 女性.交通事故にて頭部打撲後, 頭痛ならびに嘔吐が始まり, CTで巨大な左側脳室内腫瘍が認められた.手術にて全摘しなんら症状なく退院となった.組織所見ではfibrous meningiomaであった.側脳室内腫瘍は無症状に経過して, 頭蓋内圧緩衝系は限界にまで小さくなっていることが多く, このような場合には容易に頭蓋内圧亢進症状をきたしてくることを強調した.