抄録
症例は,59歳男性.前日に突発する右頸部痛を主訴に来院した.来院時CTで明らかな異常所見を認めなかったため,帰宅させた.しかし,頸部痛発作から約35時間後クモ膜下出血を発症し,緊急入院となった.脳血管撮影では,後下小脳動脈分岐部を巻き込んだ右椎骨動脈のpearl and string signを認めた.経時的脳血管撮影で動脈瘤の大きさが増大したため,第23病日にcoilによる右椎骨動脈のproximal occlusionを施行した.第57病日,動脈瘤は著明に縮小し,明らかな神経症状はなく退院した.