脳神経外科ジャーナル
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脊髄症を呈した脊椎血管腫の2例 : 術前の腫瘍栄養血管塞栓術の有効性について
中西 欣弥花北 順哉田宮 亜堂吉田 守瀧花 寿樹井水 秀栄平井 達夫
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2004 年 13 巻 10 号 p. 723-729

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抄録
脊椎血管腫は良性脊椎腫瘍の中で最も多いが,脊髄症を呈することは非常に稀である.今日われわれは,脊髄症を呈した2症例を経験したので報告した.症例1は45歳,女性,胸椎圧迫骨折による背部痛にて発症した.第12胸椎椎体腫瘍の診断で腫瘍摘出術を行ったが,術中にコントロール困難な出血に遭遇し腫瘍部分摘出となる.第2回目手術では,術前に腫瘍栄養血管塞栓術を行い腫瘍の全摘出が可能となった.症例2は47歳,男性で両下肢のしびれを主訴とした.第5胸椎脊椎血管腫の診断で術前に腫瘍栄養血管塞栓術を行い,その後手術にて腫瘍の全摘出を行った.脊椎血管腫は易出血性の腫瘍であり,術前検査として血管撮影は必須である,腫瘍摘出術を行うに際して術前の腫瘍栄養血管塞栓術が重要と考えられた.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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