ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
ISSN-L : 2189-4663
平成29年度 研究助成成果報告
微粒子吸着界面の界面張力とエマルション形成機構
作花 哲夫
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2019 年 27 巻 p. 48-52

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抄録

微粒子の吸着により安定化されたエマルションはPickeringエマルションと呼ばれ,界面活性剤を用いることなくエマルションを安定化する手法として注目されている.微粒子による油水界面の安定化は,界面張力の変化をともなうはずであるが,微粒子吸着界面の界面張力は系統的に理解されていない.本研究では,油水界面の界面張力に対する粒子吸着の効果を明らかにすることを目的とした.粒子の効果を解析しやすいように単分散で球形の粒子を対象とした.また,界面張力の計測では,プローブが界面に接触する効果を回避するため,キャピラリー波の準弾性光散乱法を用いた.デカン/水界面の界面張力を吸着粒子の展開量の関数として測定したところ,粒子展開量とともに界面張力が減少した.その減少量は,粒子の吸着による安定化自由エネルギーや吸着した粒子間の斥力相互作用と比較して非常に大きく,複合的な効果によることが示唆された.

Graphical Abstract Fullsize Image
Experimental setup of quasi-elastic light scattering measurement based on optical heterodyne spectroscopy. The light scattered at the oil-water interface with a certain scattering angle is detected together with a portion of original light (local light) to give frequency shift by the scattering with capillary wave.
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