脳神経外科ジャーナル
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神経線維腫症2型聴神経鞘腫の治療方針
齋藤 清吉田 純
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2004 年 13 巻 6 号 p. 427-432

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抄録
神経線維腫症2型患者の追跡調査では,10年・20年生存率はそれぞれ67%・38%であり,若年発症者の長期予後はさら不良であった.予後に最も影響しているのは聴神経鞘腫であり,治療時期と方法について検討した.聴神経鞘腫の成長を予測できる臨床因子はなく,治療時期の予見は困難であった.若年発症例や頭蓋内髄膜腫の合併例では,治療後の再増大の可能性が高かったが,ガンマナイフ治療例で再増大が少なく,全摘出後に再発はみられなかった.治療方針について全国67施設から返事を頂いたが,聴神経鞘腫については意見が分かれた.治療には全摘出術がすすめられるが,小さい腫瘍ではガンマナイフも有効である.聴力の状態に応じた治療方針が求められる.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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