脳神経外科ジャーナル
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妊婦の破裂脳動脈瘤に対する血管内治療
武智 昭彦佐々木 潮武田 哲二河野 兼久河野 啓二山口 佳昭松本 洋明光原 崇文石井 大造藤田 学
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2004 年 13 巻 7 号 p. 533-538

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抄録
左椎骨動脈後下小脳動脈分岐部動脈瘤破裂によるクモ膜下出血で発症した妊婦を塞栓術で治療した1例を経験したので報告する.症例は27歳,妊娠27週の女性で,頭痛,意識障害で発症した.CTでクモ膜下出血を,脳血管造影で左椎骨動脈後下小脳動脈分岐部に脳動脈瘤を認めたため,GDCによる塞栓術を施行した.術後経過は良好で,妊娠35週に帝王切開で健常児を出産した.少なくとも胎生16週以降であれば,放射線や造影剤,全身麻酔による胎児への影響は低いと考えられる.抗凝固薬の安全性などの問題点は有するが,塞栓術は妊婦の破裂脳動脈瘤に対する治療の選択肢の1つになり得ると考えられた.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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