脳神経外科ジャーナル
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ステロイドが著効を呈した海綿静脈洞部原発悪性リンパ腫の1症例
須山 嘉雄市岡 従道若林 伸一梶川 博山村 邦夫若林 千恵子中山 宏文
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2004 年 13 巻 9 号 p. 663-668

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抄録
ステロイドが著効を呈した海綿静脈洞部原発と考えられた悪性リンパ腫の1例を報告した.症例は73歳,女性.1年8カ月前に左海綿静脈洞部の良性腫瘍と診断され要経過観察とされていた.腫瘍は両側海綿静脈洞から左メッケル腔,トルコ鞍内,鞍上部および左中頭蓋窩に認められ,小脳テント下面に沿って進展していた.悪性髄膜腫を考慮したが,生検にて悪性リンパ腫と判明した.ステロイド投与にて腫瘍は著明に縮小し,現在画像上消失している.腫瘍増大の傾向や症状悪化が顕著な例では,悪性リンパ腫を考慮しすみやかに生検を行うべきである.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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