脳神経外科ジャーナル
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移動性馬尾神経鞘腫の1例
松本 洋明河野 兼久石井 大造光原 崇文山口 佳昭河野 啓二武智 昭彦武田 哲二佐々木 潮
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2004 年 13 巻 9 号 p. 658-662

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抄録
移動性馬尾神経鞘腫の1例を報告した.症例は36歳,男性で,腰痛と右下肢の感覚障害を呈し,前医で椎間板ヘルニアと診断され硬膜外ブロックを受けた後,症状の増悪を認めた.MRIではL4/5レベルに硬膜内髄外腫瘍が認められ,前医のMRIと比較すると0.5椎体上方に移動しておりmobile tumorを示した.Mobile tumorは稀な病態ではあるが,その発生機序として,腰椎穿刺や脊髄造影による医原性の髄液圧の変化が重要であると考えられ,体位変化,怒責後,あるいは腰椎穿刺,脊髄造影などの処置後に症状の増悪を認めた場合はmobile tumorを疑い.MRIを繰り返す必要があると思われた.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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