日本線虫学会誌
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研究資料
2 種類のレースに分けられるサツマイモネコブセンチュウレースSP6
田淵 宏朗藏之内 利和小林 晃門田 有希岸本 和樹田原 誠岡田 吉弘岩堀 英晶
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2017 年 47 巻 2 号 p. 29-33

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抄録

サツマイモネコブセンチュウには5 種類のサツマイモ判別品種、「農林1 号」、「農林2 号」、「種子島紫7」、「エレガントサマー」、「ジェイレッド」により同定されるSP1 からSP9 までの9 種類のレースが報告されている。本研究では、1 個体のサツマイモに対し500 頭の線虫を接種してレース判別を行う場合、従来は着生卵のう数2 を閾値として用いていたが、新たに10 とする提案を行った。この方法に従うと、SP6 の2 種類の分離株、石垣2 と沖石12 はこれら5 種類の判別品種には同じ反応性を示す。しかし、3 品種のサツマイモ「ムラサキマサリ」、「スズコガネ」、「知恵の葉」は、沖石12 には抵抗性だが石垣2 には感受性を示した。これらの結果から、沖石12 と石垣2 は異なっておりSP6 には少なくとも2 種類のレースが含まれることが明らかとなった。沖石12 と石垣2 をそれぞれSP6-1 とSP6-2 と命名した。千葉県の1 筆のサツマイモ畑から集めたSP6 の5 種類の分離株について調べたところ、全てSP6-1 と判別された。

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© 2017 日本線虫学会
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