抄録
脳神経外科医が小さな破裂脳動脈瘤に数多く遭遇することとISUIAやSUAVe-Studyが述べている低い破裂率は矛盾するものではない.小さくて破裂する脳動脈瘤は,発生してから短期間に破裂しているものが多く存在することが推測された.一方,偶然に発見される小さい脳動脈瘤は,大きくなっていく過程のもので破裂しにくい動脈瘤を観察していると理解すれば,この両者の考えは納得のいくものと考えられた.すなわち5〜7mmの偶然に発見される小さな動脈瘤は,非常に破裂しにくいと結論付けられる.さらに年間破裂率だけを論ずるのではなく,動脈瘤サイズ別の生涯破裂率もこれまでの膨大な疫学から算出できることを述べた.