無症候性頸動脈狭窄症に対してのCEAの効果を検討したACASでは60%以上の狭窄例で,ACSTでは70%以上の狭窄例で効果が示された.ACASでは女性にはCEAの効果が示されなかったが,ACSTでは74歳以下の女性にも効果が示された.以上の結果を受けて2005年に米国神経学会が示した無症候性頸動脈狭窄症に対するCEAの手術適応は,(1)年齢が40〜75歳,(2)狭窄率が60〜99%,(3)患者が5年以上の生存の可能性がある,(4)施設のCEAの合併症出現率が3%未満,である.無症候性頸動脈狭窄症に対するCEAの効果は症候性に比較して小さいものであり,手術適応は慎重であるべきである.またCASの無症候性頸動脈狭窄に対する有効性についてのrandomized studyはないが,retrospective studyやJCASの結果でもCEAとほぼ同等の成績が示されている.狭窄度以外でも,よりstroke riskの高い症例を選択しようとする研究があり,いくつかの項目に分けて述べる.
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