抄録
ガンマナイフが脳神経外科領域に登場以来40年以上を経過し,多くの報告がなされてきた.全摘出が難しい大きな頭蓋底腫瘍に対しては手術のadjuvantとして,また小さな腫瘍に対しては初回治療の手段としての地位が確立された.髄膜腫,下垂体腺腫,聴神経腫瘍に関しては平均で5年を超える経過観察にても90%を超える腫瘍制御が,きわめて少ない合併症で得られることが示された.ガンマナイフ本体,治療計画コンピュータ,画像の進歩に伴い現在も治療技術は向上しており,視神経に短い距離で接する程度の腫瘍であれば安全に治療を行うことが可能になり,また聴神経腫瘍の聴力温存率に関してはさらに向上する可能性がある.