脳神経外科ジャーナル
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頭蓋底髄膜腫に対する外科治療 : Clinoidal meningiomaを中心に(<特集>Radiosurgery時代の頭蓋底外科治療)
佐々木 富男赤木 洋二郎詠田 眞治吉本 幸司
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2011 年 20 巻 3 号 p. 164-169

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抄録

脳主幹動脈および穿通枝をencaseしたclinoidal meningiomaを全摘出するための手技上のポイントについて述べる.まず,腫瘍のdevascularizationと内減圧を行う.腫瘍にencaseされた動脈の剥離は,動脈の走行に沿って腫瘍を分割すること,分割された腫瘍を片側ずつ動脈から剥離していくこと,軟らかい腫瘍成分を吸引した後に穿通枝周囲に残るintervening fibersを切離していくこと,などが重要である.血管造影で巨大な腫瘍周囲に発達したdraining veinが多数描出される場合には,それらすべての静脈がred vein化していることがある.そのような症例では,正常脳の静脈還流を温存するためにどの部位でred veinを凝固・切断するかの判断が重要となる.また,腫瘍切除後の周囲脳の充血・浮腫に注意する必要がある.

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© 2011 日本脳神経外科コングレス
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