脳神経外科ジャーナル
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症例報告
救命しえなかった重症特発性低髄液圧症候群の1例
横須賀 公彦松原 俊二山口 真司戸井 宏行桑山 一行平野 一宏宇野 昌明
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2012 年 21 巻 10 号 p. 796-800

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抄録

 低髄液圧症候群に対する診断・治療については, 近年数多く報告されている. 意識障害を伴う症例報告はあるが重篤な経過をとる症例は少なく, 死亡例は1例のみ報告されている. われわれは, 急激に意識障害が進行し, 1度のドレナージ術と2度のEBPを行うも不幸な転機をとった症例を経験した. 意識障害を伴う症例は両側のCSDHを併発している症例が多く, 血腫量により治療方針を決定することが望ましい. また, 漏出部位の確定が困難でEBPの治療効果が不十分であれば早期に次の治療を行う必要がある. 腰椎部でのEBP, 硬膜外持続投与, 手術による閉鎖術などを積極的に行うべき症例が存在することを知っておく必要がある.

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© 2012 日本脳神経外科コングレス
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