脳神経外科ジャーナル
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脊髄・脊椎手術における術中ナビゲーションの利用(<特集>脊椎脊髄外科のトピックス)
安田 宗義高安 正和
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2012 年 21 巻 2 号 p. 96-102

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抄録
本稿では脊髄脊椎手術におけるナビゲーション利用の現状を概説し,最近みられる技術進歩の流れをまとめて紹介する.現在,日本国内で販売されているナビゲーション主要最新モデルは,S7 (Medtronic社), CartII (Stryker社), Kolibri (BrainLab社)の3機種である.それぞれに利便性を考慮した特性が備わっており,各施設の事情に鑑みた機種選択をすることが望ましい.現在,ナビゲーションは経椎弓根スクリュー留置などに有効である.詳細な術前計画・シミュレーションが可能で,実際の手技でも安全性を確保できる.したがって術者教育にも有用である.ナビゲーションを安全に使いこなすにはいくつかの注意点がある.例えば透視装置との併用は大切であり,またリファレンスフレームはずれやすいので触れないように注意する.今もナビゲーション精度向上のためにいくつかの新しい技術が開発されており,術中に元画像を撮影する方式はその好例といえる.海外ではナビゲーション下ロボット介助で経皮的椎弓根スクリュー留置を行う技術も実用化している.将来,術中機能画像を基にしたナビゲーション技術が脊髄手術でも可能になるのではないかと期待される.
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© 2012 日本脳神経外科コングレス

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