脳神経外科ジャーナル
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総説
神経膠腫患者の認知機能・QOL研究の現状と課題
沖田 典子成田 善孝
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 23 巻 1 号 p. 46-58

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抄録
 悪性脳腫瘍の臨床試験におけるエンドポイントは, 治療開始からの全生存期間や無増悪生存期間が一般的に用いられる. 神経膠腫の中でも最も予後の悪い膠芽腫に代表される悪性脳腫瘍の病態の本質は, 神経学的な悪化による日常生活機能の低下である. 神経膠腫患者でも長期生存患者が増えるにつれ, 生存期間の延長だけではなく, 「いかによく, 長く生きるか」を評価する必要がある. 悪性脳腫瘍の手術・放射線治療・化学療法による認知機能や健康関連QOL (health-related quality of life : HRQOL) の低下が問題となっているが, 悪性脳腫瘍についての研究は国内ではいまだ不十分である. 国内における悪性脳腫瘍についてのQOL研究を確立するために, QOL研究の評価法について解説し, 研究論文のレビューを行った.
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© 2014 日本脳神経外科コングレス

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