2014 年 23 巻 10 号 p. 827-831
頚椎椎間板ヘルニアによって, 運動障害や感覚障害に先立ち, 神経因性膀胱症状が出現した患者を経験した. 排尿や蓄尿に関する詳細な脊髄神経経路はいまだ確定しておらず, 本症例はそれを解明する一助となる可能性がある. また, 脊椎脊髄疾患によって生じる症状については, 発症機序によってさまざまに変化するため, 神経因性膀胱のみで発症する可能性も十分にある. 神経因性膀胱として内服加療となっている症例の中には, 手術適応がある脊髄疾患患者が潜在している可能性がある.