抄録
Japan Neurotrauma Data Bank (JNTDB) は1996年に設立され, 3回の登録事業で約3,000例の蓄積がある. 結果は, ①重症例減少, ②びまん性損傷減少と占拠性病変増加, ③交通事故減少と転倒・転落事故増加, がみられた. 治療では, 1) 脳圧モニター30%, 2) 手術50%, 3) 体温管理40%が施行され, 4) 転帰はGlasgow Outcome Scale : deadの減少とvegetative stateの増加がみられた. One Week Studyで疾患バイアスは否定されたが, 悉皆性が低いことが問題点であり, ほかの登録事業との協力等, 次のステップを検討することが喫緊の課題だ.