脳神経外科ジャーナル
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原著
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術におけるburr holeの位置と術後頭頂部感覚障害発現に関する検討
今田 裕尊勇木 清右田 圭介貞友 隆桑原 政志山田 徹
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2014 年 23 巻 6 号 p. 499-502

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抄録
 眼窩上神経外側枝 (LSON) は上側頭線内側を併走し, 冠状縫合の直前で内側に向かい, 小分枝に分かれる. われわれの慢性硬膜下血腫28側例の検討では穿孔洗浄術後に3例で頭頂部感覚障害を認めた. Burr holeの位置が上側頭線上かそれより内側, かつ冠状縫合付近であったため, 皮切時にLSONを損傷したと考えられた. 一方, 冠状縫合より1cm以上後方にburr holeを設けた全例で, 術後頭頂部感覚障害は認めなかった. また, 眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って, 冠状縫合までの距離は64.1±5.7mmであった. よって, 頭皮上で眼窩外側上部付近から上側頭線に沿って少なくとも8cm以上後方にburr holeを設けることで, 術後頭頂部感覚障害をより軽減できると考えられた.
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© 2014 日本脳神経外科コングレス

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