抄録
TCGAに代表される大規模癌ゲノム解析により, 体系的かつ包括的なゲノム解析が推進され, グリオーマにおいて新たな知見が続々と報告されている. ゲノム, トランスクリプトーム, エピゲノムといった複層的な解析により, その全体像が明らかとなりつつある. 次世代シークエンサーに代表される, 近年の技術開発に伴い, その解析速度は飛躍的に向上し, 大量のゲノムデータが公開されるとともに, その複雑さも明らかとなった. 本稿では膠芽腫を中心に, これまで明らかとなった知見を総括し. 現時点での問題点と今後の課題について考察した.