抄録
1970年代に高悪性度グリオーマにおける術後放射線治療の有用性が示されて以来, 線量分割法, 照射体積, 併用療法などの最適化に向けた臨床研究が進められてきた. この数十年間, 放射線照射技術も大きく変遷し, 二次元から三次元治療へ, ガンマ線から高エネルギーX線へ, また画像診断を治療計画に導入することで, 治療成績向上が認められている. しかしながら, 腫瘍局所制御率は依然として低く, 治療期間短縮, 再照射など, 新たなアプローチも求められるようになった. 一方, 近年の高精度放射線治療の発展により, 理想的な線量分布と正確な照準技術が達成されており, 新たな治療戦略の一環として, さらなる応用が期待される.